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発達小児医学
- Pediatrics

基本情報

学域名 生殖発達医学講座 発達小児医学
(英語表記)Pediatrics
代表者 顔写真
教授

新宅 治夫
- Haruo Shintaku
場所 学舎 7階
連絡先 TEL:06-6645-3816
MAIL:ped@med.osaka-cu.ac.jp
ホームページ http://www.med.osaka-cu.ac.jp/pediat/ link
概要  私達の小児科教室は1944年(昭和19年)に開講されました。地域の小児の健康保持を第一に考え、神経・代謝・新生児・糖尿病・腎臓・血液悪性腫瘍・循環器・内分泌・心身症・肝臓・消化管と多岐にわたる領域を対象にした診療を行うとともに、学生や若手医師の教育、小児科学研究にも力を注いでおります。
 本講座の特徴としては、フェニルケトン尿症やリソゾーム病などの先天代謝異常疾患の診断・治療において国内外を牽引する研究成果・診療実績を積み重ねてきた点にあり、近年はiPS細胞やPETを用いた先天代謝異常疾患の病態解明・治療法開発にも取り組み大きな成果を挙げています。2009年には超希少疾患である小児神経伝達物質病の全国調査に基づき診断のガイドラインの作成や新しい治療法の開発など厚労省の難治性疾患克服研究事業にも貢献しています。さらに、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の再生医療実用化研究事業でも新生児医療において重要な役割を果たしており、2014年度には国内で初めて新生児仮死による低酸素性虚血性脳症に対する自己臍帯血幹細胞治療をスタートさせるなど最先端の新生児治療技術の開発をすすめてまいりました。また、2015年に重症児の在宅支援を担う医師等養成プログラムとして、インテンシブコースをスタートし、2016年から大学インコースを設置するなど文科省の課題解決型高度人材養成プログラムにおいて地域の重症児の在宅医療にも積極的に取り組んでおります。小児アレルギーの分野ではぜん息ドックを開設し、大学で最新の検査データを含むアセスメントシートを作成し、学校、保健所、診療所と協力して患児の自己管理支援に役立てる環境再生保全機構の事業に協力しています。糖尿病分野ではインスリンポンプを用いた血糖管理を中心に日本の小児糖尿病治療の先駆的な役割を果たし、消化器分野ではカプセル内視鏡やフィブロスキャンを国内で初めて小児に導入した診療体制を構築するなど、各専門領域において地域診療のみならず日本の小児科学の発展に貢献する診療・研究活動を展開しています。

教育方針

学部教育

  • 講義・臨床実習をとおして小児科学に対する学生の理解を深め、未来の小児科医師の育成に力を注いでいます。また、海外BSLにも積極的に取り組んでおり、日本の医学生が海外の小児科で実習をする機会を持つことでグローバルな視野を持つ医学生の育成をすすめています。さらに、海外からの留学生も年間10名近く受け入れており、日本の医学生とともに臨床実習を行うことによって医学生の医学英語教育にも取り組んでいます。

臨床教育(研修医の育成)

  • (1)初期研修:
    外来・病棟の診療を通じて、小児疾患への理解を深め、小児の診察、検査所見の読み方、基本的な手技が修得できるように指導します。
  • (2)後期研修:
    関連病院と大学病院が連携し、一般診療から専門診療まで多岐にわたる分野の診療を後期研修医が経験できるようにプログラムを組み、指導医のもと各疾患の理解を深め、多岐にわたる専門分野の診療を自らが行えることを目指し、様々な手技を修得できるように指導します。また、指導医の指導のもと学会発表や論文発表も積極的に行い、小児科専門医が取得できるようにサポートします。
  • (3)サブスペシャリティー:
    専門医取得後は、各医師が希望する領域の研修を深める事によって専門性を磨き、領域別の専門医取得を目指す事ができます。また、国内外の医療機関に留学し専門領域のスキルを修得することも積極的に支援しています。

研究指導

  • iPS細胞、PET、粘膜免疫、糖尿病研究など様々な分野の研究(詳細は「主な研究内容」を参照)に卓越した業績と技術を持つ指導医のもと、博士課程の大学院生として多様な小児疾患に関わる研究をすすめていくことができます。学位(医学博士)の取得が可能であるばかりでなく、得られた成果を診療の場に還元し小児医療に貢献できるという臨床医ならではの喜びを感じていただきたいと思います。また、グローバルな視野を持つ小児科学研究者の育成を目指し、国内外の研究機関に留学することを支援しており、さらなる研究発展を目指すことができます。

研究について

概要

  • 私たちの研究に対する理念は、診療の中で得られる問題点を様々な手法を用いた研究の中で解明し、その成果を実診療の現場に還元することによって小児の健康福祉に貢献することです。当講座の領域は神経・代謝・新生児・糖尿病・腎臓・血液悪性腫瘍・循環器・内分泌・心身症・肝臓・消化管と多岐にわたりますが、それぞれの分野で卓越した研究業績と技術を持つスタッフが中心となり、個々の専門領域の研究課題の解決・解明に向け日々研究に邁進しております。

教室を代表する業績

(1)マイクロPETを用いたメンケス病における銅動態の解明

  • Nomura S, et al. PET imaging analysis with 64Cu in disulfiram treatment for aberrant copper biodistribution in Menkes disease mouse model. J Nucl Med. 2014;55:845-51.

(2)iPS細胞を用いた脳神経細胞に与えるステロイドの作用の解明

  • Ninomiya E, et al. Glucocorticoids promote neural progenitor cell proliferation derived from human induced pluripotent stem cells. Springerplus. 2014;3:527.

(3)BH4反応性フェニルアラニン水酸化酵素欠損症患者の4歳未満におけるサプロプテリンの安全性と効果

  • Shintaku H, Oura T. Sapropterin is safe and effective in patients less than 4-years-old with BH4-responsive phenylalanine hydrolase deficiency. J Pediatr. 2014;165(6):1241-4.

(4)肥満小児におけるフィブロスキャンの有用性を示した国内初の臨床研究

  • Cho Y, Tokuhara D, et al. Transient elastography-based liver profiles in a hospital-based pediatric population in Japan. PLOS ONE. 2015:10:e0137239.

(5)新生児の自然免疫を効果的に賦活化するワクチンアジュバントの発見

  • Nohmi K, Tokuhara D, et al. Zymosan Induces Immune Responses comparable with those of adults in Monocytes, dendritic cell, and Monocyte-derived dendritic cells from cord blood. J Pediatr. 2015, 167(1):155-62.

(6)小児におけるカプセル内視鏡の有用性を示した国内初の臨床研究

  • Tokuhara D, et al. Wireless capsule endoscopy in pediatric patients: the first series from Japan. J Gastroenterol. 2010;45:683-91

主な研究内容

現在の主な研究テーマ

  • 新生児タンデムマススクリーニン対象疾患の診療ガイドライン改訂、診療の質を高めるための研究、新しい対象疾患の治療法の開発
概要 全国のフェニルケトン尿症関連の遺伝子診断パネル診断担当医として、これまでの報告例および当科で集積したPAH遺伝子、GCH1遺伝子解析結果から、日本人での出現頻度、予測される重症度を含めた診断結果を主治医に還元しています。日本人と欧米人の体質の差、遺伝子変異の差あるいは生活様式、食事習慣の差も考慮した、より精度の高いデータの蓄積を行っています。またBH4欠損症患者の神経伝達物質前駆体(L-Dopa、5-HTP)の補充量とその臨床的効果と副作用についての基礎情報を収集し診療ガイドラインの改訂、診療の質向上に向けて検討しています。また新生児マススクリーニングの新しい対象疾患としてメンケス病の治療法をmicroPETを用いて研究開発しています。(Nomura S, et al. J Nucl Med. 2014;55:845-51.より、メンケス病モデルマウスの銅の脳への取り込み:左下図、腎臓からの排泄:右下図)
  • 小児の中枢神経感染症における病原体および宿主因子に関する研究
概要 小児の中枢神経感染症、特にウイルス感染症に焦点をあてて臨床研究を行っています。中枢神経の感染症は小児科では診断と治療を急ぐ領域です。臨床的に遭遇する髄膜炎などの診断と治療に直結する病原体診断についての系を確立、また、重症化の一因となる宿主反応についても免疫学的評価、プテリジン解析などを中心に研究を重ねています。
  • 小児難治てんかんの病態解明研究
概要 複数の抗てんかん薬を用いてもてんかん発作を十分にコントロールできない難治てんかんの病態を解明することは、てんかん治療の発展には不可欠です。長時間脳波デジタル記録と、我が国において小児に早くから適用してきた脳磁図検査(服部英司. 臨床脳波 2002)で得られたデータを基に神経生理学的解析を行っています。また、てんかんの発症には、大脳皮質神経細胞の異常のみならず、グリア細胞も関与していることが近年分かってきています。てんかん原性獲得におけるグリア細胞の病態を基礎、臨床の両面から神経病理学的な手法を用いて(Sakuma S. Neuropathology. 2009, Sakuma S. Neurosci Lett. 2014)、難治てんかんの病態解明に取り組んでいます。
  • 小児1型糖尿病の最新治療に関する臨床研究
概要 当科には400名以上の1型糖尿病患者が通院しており、インスリンポンプ療法、SAP療法(持続血糖モニタリング+インスリンポンプ)の導入患者数は日本一を誇り、1型糖尿病の最新治療を行っています(広瀬正和 糖尿病.2007)。またインスリン量の調整においては、カーボカウントによるインスリン調整を日本で先駆けて導入し(広瀬正和 糖尿病.2007)、患者さんが過度な食事制限なく、生活に合わせたインスリン治療(患者中心医療)を実践しています(Kawamura T. Ped Diab. 2007)。また、日本で最初のカーボカウント指導書を出版し(かんたんカーボカウント:医薬ジャーナル社、カーボフラッシュカード:医薬ジャーナル社)、2008年より毎年開催している医療者向けのセミナーには延べ1000人以上が参加し、カーボカウント、インスリンポンプ治療において指導的役割を担っています。
  • 小児の肝臓・消化管疾患に対する新規診断・治療法の開発
概要 小児の肝臓・消化管疾患に対する痛みを伴わない非侵襲的な検査手法の開発や予防・治療薬の開発に取り組んでいます。国内初の研究として、小児に対するカプセル内視鏡の有用性を確立するとともに(Tokuhara D. J Gastroenterol. 2010)、針生検を行わず痛みを伴わずに肝線維化を評価するフィブロスキャンの有用性を報告し、両検査手法を実診療に応用しています(Cho Y. PLOS One. 2015)。また、消化管感染症を効果的に予防するワクチンのアジュバント(免疫増強物質)を開発する研究も展開し、臍帯血を用いた研究から新生児に有効なワクチンアジュバント候補を世界で初めて発見しました(Nohmi K. J Pediatr. 2015)。

臨床への取り組み

当科では、小児科領域全般に関して、最先端の専門的診療を行い、各部門の連携を密にして全人的医療を行っています。関係機関の協力を得て、小児気管支喘息の小児を対象に、日帰りで参加でき総合的なアセスメントを行う「小児ぜんそくドック」を開設しました。患児の自己管理支援と主治医となる医療機関での治療に役立つ情報提供を行っています。 また、近隣の医療機関との連携を重視し、急性疾患の受け入れを随時行っており、地域医療への貢献を目指しています。
( → 病院の診療科 http://www.hosp.med.osaka-cu.ac.jp/departments/10-shounika.shtml link

スタッフ

教授 新宅治夫
講師 川村智行、齊藤三佳、瀬戸俊之、時政定雄、濱崎考史、徳原大介、佐久間悟
病院講師 広瀬正和
後期研究医 野村志保、西垣五月、趙有希

参考写真

第3回重症児の在宅医療を担う専門職養成のためのインテンシブコース

講座一覧

あべの医っちゃんねる