学域名 | 分子生体医学講座 機能細胞形態学 (英語表記)Anatomy and Regenerative Biology |
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代表者 |
教授 池田一雄
- Kazuo Ikeda
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場所 | 学舎 12階 |
連絡先 |
TEL:06-6645-3701 MAIL:ikeda@med.osaka-cu.ac.jp |
ホームページ | |
概要 |
解剖学講座は、本学医学部の前身である大阪市立医学専門学校が開校した1944年に、他大学の教授が兼任する形で始まりました。その後、大阪市立医科大学に昇格した1948年に鈴木清教授が就任し、当講座の礎を築きました。1964年より山形健三郎教授、1987年より高木宏教授、2001年より木山博資教授、2011年より池田一雄教授がそれぞれ就任し現在に至っています。 鈴木教授は「鈴木鍍銀法」の開発により、神経組織や肝組織の形態学的研究に多大な貢献をし、なかでも19世紀ドイツの解剖学者von Kupfferが最初に記載した「肝星細胞」に関する研究は特筆すべきものです。Kupfferは1876年に肝類洞周囲に存在する星形の「結合織細胞」を発見しましたが、後に、この細胞は「マクロファージ」であると見解を修正しました。このことに端を発し、肝臓の組織学は長らく混乱しました。鈴木教授と当時、当講座の教員であった和氣健二郎東京医科歯科大学名誉教授がこの「Kupfferの錯誤」を明らかにし、肝臓の組織学における混乱に終止符を打ちました。高木教授、木山教授と神経系をテーマとする研究体制が続きましたが、現職の池田教授は鈴木・和氣両教授伝統の肝臓の形態学的研究をテーマとしています。 解剖学教育の大きな柱として肉眼解剖学実習が挙げられます。戦後長らく、実習のために必要な御遺体の確保が深刻な問題でありました。山形教授はこの問題の解決のために大変尽力し、森田好雄氏を初代理事長とする篤志献体団体「みおつくし会」が1974年に設立いたしました。 以上のような、諸先輩方の業績を大切な財産として、教育と研究に日々取り組んでいます。また、肝臓病学を研究テーマとする他講座とも連携して、国内外における肝臓病研究の拠点の一つである大阪市立大学を発展させていくよう研鑽を積んでいます。 |
概要 | 肝小葉内で星細胞は、血管外唯一の間質細胞であり、肝硬変・肝がんなどで、その形質変化を示し、様々な肝病態に関与している、当教室では、特に肝星細胞の活性化ならびに細胞老化に関して以下の解析を行っている。 |
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主な業績 |
・肝星細胞の遺伝子発現 (mRNA、 microRNAおよびタンパクの変化) の解析 ・DNAメチル化ならびにヒストンバリアント置換の解析 ・肝星細胞と他の細胞(肝細胞、内皮細胞)間の相互作用の解析 ・肝星細胞における核内受容体Peroxisome Proliferator-Activated Receptor Gamma (PPARγ)ならびにfarnesoid X receptor (FXR)の機能解析 |
概要 | 当教室では、肝硬変治療薬開発の前臨床試験を実施している。 |
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主な業績 | ・線維化in vitro評価系の開発 ・化合物ライブラリーから肝硬変治療の基盤となる化学物質の構造決定(特許出願準備中) ・肝硬変モデル動物を用いた薬効評価 ・安全性試験に向けた化合物の合成展開、肝硬変治療薬のリード化合物の決定。 |
概要 | 多くの薬物誘発性肝炎は肝細胞の細胞死から惹起されるが、肝細胞死の過程における微小環境の変化は不明な点が多い。当教室は、アセトアミノフェン誘発肝炎をモデルとして、肝細胞死の分子機序ならび炎症反応を小胞体ストレス応答とオートファジーの視点から解析している。 |
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主な業績 | ・アセトアミノフェン誘発肝細胞死における小胞体ストレス応答の意義 ・アセトアミノフェン誘発肝細胞死におけるオートファジーの意義 ・肝細胞と他の非実質細胞(マクロファージ系細胞、類洞内皮細胞)間の相互作用の解析 |
概要 | 肝線維化・肝硬変の臨床治療として骨髄細胞移植が既に実施され、肝線維化が抑制される可能性が示されつつあるが、当教室では、動物実験において、骨髄細胞あるいは肝臓組織を構成する細胞を用いた細胞移植治療の可能性とその機能解析を進めている。 |
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教授 | 池田一雄 |
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准教授 | 仲谷和記 |
講師 | 松原勤 |
助教 | 斎藤千恵子 |